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くうねるあそぶろぐ
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おおきなおおきなりんごの木(後編)
前編からのつづき


りんごのならない木はどんどん大きくなって、りんごのなる木を覆い隠すくらいに大きくなった。

すると、今度は、りんごのなる木の元気がなくなってきた。りんごのならない木があまりに大きくなってしまって、りんごのなる木にお日様の光があたらなくなってしまったからだ。りんごのなる木はどんどん葉っぱを枯らしていき、だんだんとりんごの数も減ってきてしまった。りんごのならない木は、かなしい気持ちがいっぱいで、りんごのなる木が元気でなくなってきたことにまったく気がつかなかった。

ある日、動物たちの声が聞こえてきた。「もうすぐりんごがなくなるね。もう葉っぱも枯れてきているし、もうりんごの木はだめになってしまうのかなあ。」
そのとき、初めてりんごのならない木はりんごのなる木の元気がないことに気がついた。
「だ、だいじょうぶ?」
「うん、もうあんまり元気がないんだ。」
「ごめんね。私のせいで。」りんごのならない木はりんごのなる木にあやまった。
「ううん。君のせいじゃないよ。気にしないで。ただね、もうりんごがあと一つになってしまったんだ。このりんごは君にもらってほしい。このりんごは動物たちに見つからないようにじっともっていてほしい。頼めるかな。」
「うん、わかった。」りんごのならない木は、そっとりんごのなる木の最後のりんごを受け取った。次の日、りんごのなる木はすっかり枯れてしまっていて、幹からすっかり折れてしまっていた。

りんごのなる木にあつまってきた動物たちはとてもとても悲しがった。みんな、泣いたり、かなしいと言ったり、毎日毎日やってきては、りんごのなる木が枯れておれてしまったことを残念がった。りんごのならない木はそれを見ながら、りんごのなる木からもらったりんごを動物たちに見つからないように大事に大事に隠していた。

ずっと大事に隠していると、りんごはだんだんと悪くなって腐ってきてしまった。りんごのならない木はどうしようかと思ったけれども、悪くなってしまうのは仕方のないことだったし、りんごのなる木の言ったとおりじっと持っていることにした。りんごはすっかり腐ってしまい最後は芯と種だけになった。種がぽろりと芯からはずれ、りんごのならない木の穴の中にぽとりと落ちた。

りんごのならない木は、最後までりんごのなる木との約束を守った。けれど、りんごのならない木はいつも悲しい気持ちでいっぱいだった。自分のせいでりんごのなる木が枯れてしまったことも悲しかったし、動物たちがりんごを食べられなくなったのを残念がるのも申し訳なかった。

しばらく時がすぎたころ、一つの花がりんごのならない木に咲いた。それは、りんごのなる木が咲かせていた花と同じ白い花だった。りんごのならない木に花が咲くのは初めてのことだった。りんごのならない木はとても驚いた。ひとつ花が咲いたと思ったら、どんどん花が咲いた。花が咲くと、次はしぼみ、実になった。実はりんごのなる木になっていたりんごとそっくりのりんごだった。

りんごのならない木にりんごがたくさんなった。動物たちは、おばけの木にりんごがなったと驚いたが、それがりんごのなる木と同じにとてもおいしいりんごだったので、とても喜んだ。それから動物たちは、おおきなおおきなりんごのならない木のりんごを、りんごのならない木の隣に横たわるりんごのなる木の幹に座って食べるようになった。



おしまい。




村上春樹訳で再版された「おおきな木」を読んで、触発されて書いてみました。書いたら載せたくなって、載せてみたけれど、やっぱり載せなければよかったなと思ったり。載せてしまったものを消すのもなんか違うので、若気のいたり(笑)ということで、載せたまんまにしておきます。

話は戻って、その村上春樹訳のおおきな木を殿が読んでというので、を読んであげたら、途中で怖いといいだして、最後までいきつきませんでした。大人向けの絵本だなと思います。私は、はじめ立ち読みをしたら、なんだか涙が出てきて最後まで行き着きませんでしたので、購入しました。やはり、読み続けられる絵本は素晴らしいと思います。たくさんを語る本ももちろん素晴らしいとは思うけれど、短い言葉で、いろんな一面をその時々で感じさせてくれる絵本はずっと手元に置いておきたいと思います。きっと、そういうものを生み出して、世の中に送り出してくれる人は、生まれ持った何かを持っているんだろうと思いますが、もし努力で一度くらいそういった機会を得ることができるのであれば(手段はよくわかりませんけど)、なにか誰かの心に残るようなものを生涯に一度くらい残して死にたいなあと思ったりしました。
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by joliejolly | 2011-07-12 20:59
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